学科案内

学科長挨拶

応用理工学科は、「ものづくり」の最も重要な基盤である3つの分野、すなわち機械工学(Mechanical Engineering)、材料科学(Material Science)そして生産科学(Manufacturing Science)の3つのMを統合した大阪大学独自の総合学科です。そして、それぞれの学問分野における教育システムは、機械工学科目とマテリアル生産科学科目・マテリアル科学コースおよび生産科学コースとして構成されています。

機械工学分野では、マイクロシステムから巨大な人工物にいたるまで、きわめて広範な機械や装置を対象として、安全で豊かな社会生活を実現する技術を開拓するための教育・研究を行っています。また、材料・生産科学分野では、材料科学を基盤として、材料の基礎から機能、特性の発現とその解明から材料を用いた人工物製造のための生産プロセス・システムを一連の流れとした教育・研究を行っています。応用理工学科では、これら3つの分野が、相互の強い連携によって、より柔軟で独創的な学術探究を展開しています。

人類は、より豊かで便利な社会を求めて、複雑で高度な人工物を創造し、科学技術を急速に発展させてきました。しかし、一方で自ら創り出した人工物の安全性や信頼性に対する不安、それらによる環境汚染やエネルギー問題、さらには社会環境や生活環境の急激な変化による新たな技術への要求など、これまでの方法論の延長ではなく、「ものづくり」の基盤から根本的に見直す必要がある課題が山積しています。そこで、より高度な安全性や柔軟性などの新たなコンセプトに基づく革新的な人工物の開発や高度化と、それらに伴う新材料の開発、さらにはエネルギー・資源の枯渇や環境汚染、少子化による生産人口の減少、高齢化社会に伴う医療や福祉の問題といった社会環境や生活環境の急激な変化に着目し、「ものづくり」の基盤に立ち返って考え、それらに対応できる材料と製品を創出できる学問的素養と技術を身につけた人材が強く求められています。

そこで応用理工学科では、機械工学分野と材料・生産科学分野において学術を探究し、さらに高度な専門知識、幅広い教養と国際性の兼備によって、持続可能な社会の構築、人類の未来の発展へ貢献しようと強く考え、行動する、国際的なリーダーの育成を目的として、先進的な教育システムと世界レベルの研究環境を提供します。社会や時代の変化に流されず、問題の本質を基礎に立ち返って見極め、“3つのM”の新たな未来を切り拓く先導的人材として成長できる学問の府である応用理工学科に、大きな志をもった若者たちが集うことを願っています。

林 高弘(学科長)

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